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皆さん、こんにちは!私は株式会社日立情報通信エンジニアリングの萬谷です。今回は、自動車開発において当社が行っている自動車向けソフトウェアのエンジニアリングについて、私たちのプロジェクトについてお話ししましょう。
自動車業界の状況
日立グループは、安全、快適さ、環境保護、そして効率の4つの要素を統合し、自動運転システムの実現をめざしています。これにより、社会的なニーズである環境保護、快適性向上、安全性を高め、新たなソリューションを提供し、社会へ貢献しています。現在、自動車は走るだけでなく、さまざまな機能を備えるように進化しています。
@つながる(デジタルコミュニケーション)
A安心安全の確保(自動運転・運転支援)
B環境改善(低燃費・低環境負荷)
など、これらの要素を実現するために、自動車にはますます多くの機能が組み込まれています。自動運転や運転支援、電気自動車の開発など、新しい技術を駆使して、自動車は進化し続けています。
この進化に伴い、自動車に搭載されるECU(Electronic Control Unit)と呼ばれるコンピューターの数も年々増加しています。2021年には、1台の車に約30個のECUが組み込まれていましたが、2035年には約50個に増加する見込みです。多くの機能を持つECUは、大量のデータを処理する必要があり、高速かつ大容量のデータ伝送が求められています。
自動車開発におけるエンジニアリングの挑戦
私は入社以来、ハードウェアとソフトウェアの開発に携わってきました。初めは携帯電話で使われるアルゴリズム開発、衛星通信を用いた防災無線などの、先行開発に携わりました。その後、通信を中心としたIT関連の開発、特に携帯電話向け基地局の量産開発に関わりました。
これらの経験を生かし、自動車の高度化に伴うデータ増加の課題に取り組むために、「通信」をキーワードに自動車開発に参加しました。 最初は、IT業界から自動車業界への転職に苦労しました。新しい分野への挑戦は常に学習が必要で、エンジニアとして学び続ける姿勢が不可欠です。私個人としては、社会人になってからの方が学ぶ機会が多かったかもしれませんが、学び続けることはエンジニアにとって欠かせないことだと思っています。
車関連での経験を紹介すると、ソフトウェアエンジニアとして自動車と運転手を結ぶ通信モジュールの量産開発に携わり、「つながる」を実現しました。また、自動車の運転支援や自動運転の開発にも従事し、車両構築からアルゴリズム開発、実際の車両でのテストまで、自らの手でプロジェクトを推進しています。技術と経験の不足に直面することもありましたが、チームで問題を解決し、“安心安全”を実現させてきました。
また、最近では、車のEV化が進み、電気自動車への転換に貢献するために、インバータ関連のプロジェクトにも取り組み、“環境改善”として、環境負荷を減らす取り組みにも積極的に参加しています。
持続可能な自動車業界への貢献
私たちはソフトウェア開発の専門知識を生かし、自動車業界をサポートし、環境への負荷を減らしつつ、自動車の利便性と安全性を向上させるためのさまざまな技術を開発しています。新しい技術の開発に取り組む努力を惜しまず、経験を生かしています。これらの経験を通じて、日立情報通信エンジニアリングは持続可能な自動車業界の実現に向けて貢献しています。
2023年11月
株式会社 日立情報通信エンジニアリング
エンジニアリング事業部 通信技術開発本部 萬谷 潔
※編集・執筆当時の記事のため、現在の情報と異なる場合があります。編集・執筆の時期については、記事末尾をご覧ください。