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エンジニアリング事業部 事業戦略本部の桂田です。
私はこれまで、フィリピン、タイ、ドイツなどの企業のエンジニアと仕事をする機会があり、現在は、GlobalLogic(ルーマニア)のメンバーと協業を進めています。
海外との仕事というと、「まず英語力が必要」と思われるかもしれません。
もちろん英語は重要です。しかし実際に経験してみると、成果を出すために本当に大切だったのは、英語力よりも、相手を理解しようとする姿勢や、自分の考えを分かりやすく伝える工夫でした。
今回は、海外の仲間から得た気づきと、現在、実践している工夫についてご紹介したいと思います。
以前は、文法が間違っていないか、発音がおかしくないか、ばかりを気にしていました。
しかし、実際のプロジェクトでは、完璧な英語を話せるかどうかよりも、必要な情報を正しく伝えられるかの方が重要です。
分かったふりをして進めることの方が、後々大きな問題になることを何度も経験しました。
今は、「まず伝える」、「分からなければ聞く」ことを優先しています。
英語は目的ではなく、あくまで相互理解のための手段なのだと感じています。
海外メンバーとの仕事で苦労したのは、「伝わったと思っていたのに、伝わっていなかった」ことでした。
ある時、認識を合わせたい内容があり、会議の中で私は「どう思いますか?」と参加者に問いかけました。私としては、「この方向で進めたいと思っているが、大きな問題はないか確認したい」という意図でしたが、相手からすると、「自由に意見を出してほしい」という問いかけに聞こえたようでした。
結果として、様々な意見やアイデアが出され、議論は大きく広がりましたが、私は内心、「そろそろ決めたいのに…」と思っていました。
今振り返ると、問題は相手ではなく、質問の仕方にあったと思います。
コミュニケーションでは、何を聞くか以上に「なぜ聞くのか」を相手に伝えることが大切だと学びました。
海外メンバーと仕事をしていると、「なぜそんな進め方をするのだろう」と思うことがあります。
しかし、話を聞いてみると、その背景にはそれぞれの文化や価値観があります。
会議の場で率直に意見をぶつける文化、役職に関係なく議論するスタイル、家族との時間を大切にする考え方など、日本とは違う部分もありますが、どちらが正しいという話ではありません。
むしろ、お互いの違いを理解することで、コミュニケーションはスムーズになります。
最近、ルーマニアのメンバーと仕事をしていても、技術的な議論を遠慮なく行いながらも、相手へのリスペクトを忘れない姿勢に学ぶことが多くあります。
国が違っても、「自分の意見を聞いてほしい」、「頑張ったことを認めてほしい」という気持ちは共通です。
だからこそ、良い提案には感謝を伝える、相手の専門性を尊重する、まず話を最後まで聞くことを大切にしています。
技術力や語学力ももちろん重要ですが、長く仕事をしていく上では信頼関係の方が大きな力になります。
実際に、信頼関係ができたチームほど、難しい課題にも前向きに取り組めると感じています。

ドイツのパートナー会社の食堂でのランチ風景(私が一番量が多い!?)
会議中に英語で考えながら質問を組み立てるのは意外と大変です。
事前に資料や質問事項を共有しておくことで、お互いが準備でき、より短い時間で深い議論ができるようになります。
以前、海外メンバーに装置構成を説明していた時のことです。
言葉を変えながら何度も説明したのですが、なかなかイメージを共有できませんでした。
すると隣にいた設計者が、紙にフリーハンドで簡単な装置構成図を描いてくれました。
すると、それまで噛み合わなかった議論が一気につながり、短時間で認識を合わせることができました。
その時に実感したのは、「文章10行より図1枚」ということです。
相手も必ずしも英語が第一言語とは限りません。
だからこそ、構成図やフロー図、スケジュール表など、言語の壁を越えて理解できる可視化がとても有効だと感じています。
アイデア出しの時と、意思決定したい時では、質問の仕方を変えるようにしています。
例えば、Option A / Option B の選択式にする、Yes / Noで答えられる形にする、決めたい内容を先に伝える、といった工夫です。
質問そのものよりも、「何のために聞いているのか」を明確にすることで、コミュニケーションはずっとスムーズになりました。
会議で理解できたつもりでも、後で認識差が見つかることがあります。
そのため、決定事項、宿題、次回までのアクションなどをチャットやメールで残すようにしています。
シンプルですが、とても効果があります。

仕事終わりに仲間と語り合う時間も、信頼関係を深める大切な機会
海外との仕事を通じて学んだのは、言葉や価値観の違いを超えて、「相手に伝わるコミュニケーション」の大切さでした。そしてその学びは、ルーマニアの仲間との仕事だけでなく、日本の仲間やお客さまとの仕事にもそのまま生かされています。
相手を尊重すること、分かりやすく伝えること、そして理解できるまで対話すること。
海外との仕事で大切なのは、違いをなくすことではなく、違いを理解し、お互いの強みとして生かすことなのだと思います。
これまで出会ったフィリピン、タイ、ドイツ、そしてルーマニアの仲間たちは、それぞれ異なる価値観や文化を持っていました。しかし、「良い製品をつくりたい」「お客さまに価値を届けたい」という思いは共通していました。
今回ご紹介した工夫は、海外メンバーとの協業だけでなく、日本人同士の仕事でも同じように役立つものです。
相手がどこの国の人かではなく、相手にきちんと伝わり、理解し合えること。その積み重ねが、より良い信頼関係につながるのだと思います。
これからも国や文化の違いを楽しみながら、多様な仲間と新しい価値を創っていきたいと思います。
2026年9月
株式会社 日立情報通信エンジニアリング
エンジニアリング事業部 事業戦略本部 桂田 ちず
※編集・執筆当時の記事のため、現在の情報と異なる場合があります。編集・執筆の時期については、記事末尾をご覧ください。